フードコートの片隅 ではなく
あえて真ん中寄り そうだあの辺り
替えの利く役者Aとして
喧騒と微かでも確かな温もり そして笑顔
小さな虫が人知れず蜜を吸うように
紛れていた
アキはバトンを受け取って
確かな承継の完了を鬼雨に喩えた
いつか「一緒に連れ去ってくれ」
そう叫んだある人は 今はもう静かに見送っている
輪郭線を滲ませる程のそれが
迷いなき前進に寄与していると知り 感謝した
ここにこうして一人で立っていると
悪くないなと感じていることに気がついて
少し驚いた
今はもうこの鈍重さでさえくすぐったく
乾いた笑いが漏れ出さないよう 堪えていた
微震にも必ずと言っていい程に気がつく性懲り無さを
「受け入れるよ」
そう言って 実際声にした
うろこうろこでひしめくその中に
こちらを見るメがあるなんてこと
かみさま以外知るはずがなかった
そこに それは 詩は
震え始めるのだった