それは空想の生き物だと言われている

ドラゴンが鳴いた。 台所で皿を洗い続けていた僕が、どこか遠くからやってきた低い唸り声のようなものを内蔵あたりで感じ取ったというだけの話だ。 ドラゴンは腹を立てているのか憤っているのか、それとも。 僕は怯えたらいいのか恐れ...

日常

東京から風が吹いてくる、俺の街にとってはケッタイな逆風だ。努力も時間もけっこう惜しまずに、明るい未来って奴のために、働いて、羽ばたいて、米炊いて、君抱いて、底なしの失望なんてものを、蹴散らしてきたんだよ。 相変わらず言い...

暑いということ

なんてったって暑い。家に出る前にコップ一杯の水を飲んで、日傘を差して、水筒まで持って外出しているにも関わらず、顔はおでこからほっぺまで真っ赤になり、首筋から胸元から汗がしたたり、なんだか頭も痛いような気もして、それは暑い...

生活

そうして何だか、こうして文章をぽつぽつ書いているわけだけれども、生活というものは本当に味気のない日々が続いているばかりで、平日はといえば九時から十七時までじっと椅子に座って誤字脱字がないかひたすら文章を校正校閲する仕事を...

フェアリーランド

詩を書くことで、何でも本当になると思っていた。自分は極悪人で畜生だが、地獄でも詩を書くことで本当になると思った。信じてはいなかったが、信じていた。詩を書いたことは嘘でも幻でもなかった。それは現実だった。書いたことが本当に...

私の菩薩行、50の誓願

宇宙で最も偉大で、全ての親である阿弥陀如来は、前世で法蔵菩薩であられたころ、48の誓願を立てられたと言います。私も、それに見習い、菩薩としての務めを果たそうと、いくつかの願を立てました。だれか、困っている方がいたら、出来...

3人的な、余りに3人的な

ゆらゆら帝国のベーシスト、亀川千代さんが亡くなった。世界の三分の一が消えてしまったように悲しい。僕はなんとなく、ゆら帝がスリーピースバンドだから、曲の中でも「3人」って歌詞がよく出てくるのだと思っていた。今から適当なこと...

MOTHER

全ての大仰さや、やせ我慢や、偽善や、振りには、すべて理由がある。その人なりの、精いっぱいの力の結果だ。鼓舞しなきゃ果たせないんだ。子供の頃の純真とは違う。悪いことだって、しなきゃならなかった理由があるんだ。悪いことをした...

FRUITS BASKET

この漫画では、13番目の干支、猫憑きの「夾」君という人物が登場します。主人公は、本田透さん。猫憑きの夾君は、将来、大人になったら、草摩家の庵で、一人寂しく、死ぬまで暮らすということになっています。草摩一族の十三支は、異性...

七色に光る

crazy, 雲のすき間に陽が差した。狂ってるのね、また晴れの日が来る。雨の日に迷っているのも嫌いじゃない。もし私の人生をより良くする、手軽なメソッドでもあれば、もう少し居心地のいい方へ、二人ですんなりと入り込めたのにね...