本のはなし 考察する若者たち/三宅香帆
三宅香帆著『考察する若者たち』を読み終わった。以下端的にまとめる。 おそらく著者のコアにある問いが考察/批評の二項対立における考察の台頭に対する疑問符だと思われる。考察は正解があるもので、批評は正解のないもの。令和の時代...
三宅香帆著『考察する若者たち』を読み終わった。以下端的にまとめる。 おそらく著者のコアにある問いが考察/批評の二項対立における考察の台頭に対する疑問符だと思われる。考察は正解があるもので、批評は正解のないもの。令和の時代...
ゲボみたいに輪郭のない人生について書くとしたら。 2023.8.20 「母が亡くなりました。猫については……」 愚痴でその存在を聞くだけだった佐藤さんの息子さんからの着信に呆然とした。突然の...
この記事は当初、歌誌『帆』第四号への寄稿文として書いた。しかし残念ながら採用されなかった。私的には良く書けた記事だという自信もあって、『なにもないところ』に掲載させていただいた次第である。この記事の内容は寺山修司の歌論...
母との待ち合わせ場所へ行くには、駅からかなり歩かねばならなかった。この場所のように、都市とそのベッドタウンと、そのベッドタウンではたらく人々が仕事以外の生活をする場所に、まだ適切な名称はないのだろうか。 深い緑いろの...
なぜだか昔(といったってまだ12年の人生)から金星に興味があって、西側の空の夕闇をずっと見てる。夕闇の空にはじっと僕を見つめている目があるの。その目は宙にずっと浮かんでいて、不思議な怪奇現象とかではなくてアニメみたいに...
僕がシーラッハを知ったのは闇金ウシジマくんなどで知られる漫画家・真鍋昌平さんがこの作家のことを紹介しているのを読んだからだった。この作家は弁護士であることを利器として、実際にあったのではないかと思われる事件を情に訴えるこ...
僕は以前、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」についての感想を note にまとめた。あの記事を書いたとき、物語を牽引するのは〈シロを殺したのは誰か〉という疑問ではなく、むしろ〈その疑問を抱えたまま、どう他者と向...
現在アメリカで何が崩壊しているか 僕は経済学の素人なんですが、少し思い立ったことがあったので書いてみたいと思います。 現在アメリカは自由貿易と自由民主主義的価値観を脱ぎ捨てる予兆さえみえはじめ、足元では株価が大きく下落し...
晴れた空が僕を包んでいく。妙に艶かしくもあって。紅が斜めに傾いていく。デジャヴは夢の名残りだと知りながら。昨夜の秘め事を振り返り、僕は陰を照らす光源に変わる。苦悩の亡霊さえ退かせて。 笑わない道化師のショーの後、僕らは後...