ときに時間をとめる


困難だなと思うのは話しているとふと時間が止まること。
冬になるとよく散歩に行くのを見咎められ、そんなに歩いて楽しいのかと聞かれる。
特に楽しいことがあるわけでもないが、
冬の道を歩いているとナンテンとサンザシが実をつけているから、
食べ比べ選手権がある、と答える。
はあ、と口からあからさまに息を吐く、
というよりもなんだか体の空気を外に輸出しているような冗長さがある。
そういう時、見た目以上に動揺していることが多い。
はやく二の句を継がなければ、
そのまま時間が止まってしまう。

ところでフェニキア人の顎はなんであんなに長いんだろうね
何気なく通りかかったような軽々しさにつとめる
時間の終わりは訪れることはなく、
今日もいちにちの終わりのみかんの皮を剥く


(余計なお世話かもしれないけど
ナンテンもサンザシ(僕がよく食べるのはトキワサンザシ)も毒があるので食べないに越したことはない。)





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