しるこサンドを齧りながら
だらだらといつもの坂を下る
どこか遠くで小さな針が落ちたとしても
気づいてしまいそうな
冷たい夜だ
明日までに7万
それなのにすっからかん
クソみたいなラップができ
意味もなく笑える
何かが左半身をがさっと撫で
気づいたらひっつき虫まみれだ
パーカーから
平たい豆みたいな実を摘み
地面に落としていく
この右手の動き
フードの裏まで手を回して
実がついてないか探す
この右手の動き
俺は何度繰り返しただろう
今日だけじゃない
何百回も何千回も
いや何億回も
俺は繰り返してきた
馬鹿みたいに
何度も
何度も
気づけば
左手に掴んでいたはずの
しるこサンドの残りの滓も
もう無かった