日常

東京から風が吹いてくる、
俺の街にとってはケッタイな逆風だ。
努力も時間もけっこう惜しまずに、
明るい未来って奴のために、
働いて、羽ばたいて、米炊いて、君抱いて、
底なしの失望なんてものを、
蹴散らしてきたんだよ。

相変わらず言い争いしてる連中はほっといて、
お上にべったり、二枚舌の物書きもスルーして。
テレビは今日も有名人のプライベートばらしに夢中だ。
どうか気ままな俺には関わってくれるなよ。
今はお遊びの最中だ。

午後には10年使ったチェストのお片付け。
昼ご飯を作って待ってくれるのは君。
こんな最高の日に歌うのは当たり前でしょ?
イカれた奴らをその歌声で貫いて、
気分だけでも最高潮にしませんか?
もう余分な情報はいらない。

君が喜ぶだけでいいんです。
しらけた空気なんていらなくて、
弾けそうな愛情を注ぎたいんです。
愛って言葉がもし、ただの嘘っぱちだとしても、
その言葉の意味をかみしめてたいんです。
俺はこれからあと、どれだけ君を愛せるでしょうか。

君が幸せならいいんです。
斜にかまえた態度なんていらないんです。
愛って言葉がもし、ただの作り物だったとしても、
その言葉を最上の作品に仕上げたいんです。
俺はこれからあと、どれほど深く君を愛せるでしょうか。

東京から風が吹いてくる、それも特大の。
こっちはこっちで、そこそこ一生懸命やってんだ。
せめて邪魔せず、迷惑一つかけずに素通りしてくれよ。
朝焼けは一枚撮るのにちょうどよくて、
俺は愛のうたを作り上げることに夢中なんだから。

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