魔王城の平穏な日々♡

今日も虚(うつろ)たちがあくせくと動き回っています!

こんにちは!あなたって素敵ね。助かるわ!ありがとう!(私があなたの承認欲求を満たしてあげるの♡)。

え?あなたの心からの願い?本音?声?切実な訴え?話を聞くわ!(愚痴を言ってスッキリさせるだけで終わりだけどね♡)。

いさかいごとはもみ消すわ!私は平和を守っているの!だって、あなたたちは無力だもの!

争いなんて嫌よ!あなたたちのために、私は、争いごとを、なかったことにするの!

私は、あなたのしりぬぐいをしてあげるわ。ほら、あなたはいい子いい子♡

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悪意とは人間性の破壊であり無力化であり家畜化であり植民地化である。無邪気を装う邪気である。ハラスメント(狭義)は悪意を巧妙に隠した暴力の一形態であり殺人である。ハラスメント(広義)は感染し新たなハラスメントを生み出し人間性を汚染し続ける。ハラスメントは常態化されたコミュニケーションの一形態である。

今日も魔王は玉座に鎮座し、グロテスクに歪んだ聖者の顔をして高貴な衣を羽織り虚(うつろ)たちに呪いをかける。「アタラクシア!」「中庸!」「ラブ!」「包摂!」「ニルヴァーナ!」「南無阿弥陀仏!」「アーメン!」生贄に人を捧げる儀式が秘密裏に、公然と営まれる城の魔法陣は日々堅牢になっていく。城壁の内側を真っ白に漂白していく。流された血の跡すら漂白していく。真っ白い世界に、感情の淡い波が立つ。その度に呪文が唱えられ、また白くなっていく。

僕は怒りを感じた。

たった一度でも術中に陥ったことに。

僕は恐れを感じた。

たった一瞬でも術中に陥ることに。

僕は

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夢にうなされる夜に

内臓がまだ動き続けているのを感じながら、ドラゴンを想う。

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