無職流・「心の喫煙所」への逃げ込み方

今月も元気に「メール職人になろう!」6月号をお送り致します。6月はなんと、ラジオをそもそも1回しか聞けませんでした。おそらく7月も激務により、ラジオ聴く暇が無いかもしれません。ラジオ聴きたいメール送りたいという気持ちを育てつつ、8月の私に期待です。

さて、6月に1回聴いたラジオというのが、『空気階段の踊り場』である。KOC優勝者である若手芸人・空気階段が、人生のためになる情報をお届けする教養バラエティ。と、いうのは建前で、実際は鈴木もぐらと水川かたまりが喧嘩したり、クズ話をしたり、怒られたり、拗ねたり、準レギュラー・岡野陽一が大暴れしたりするだけのラジオだ。

6月のたった1回をこの番組に捧げた特別な理由は無いのだが、激務の中のほんの少しの休息に、『空気階段の踊り場』はちょうどいいのである。以前のラジオ記事の中で、『菅田将暉ANN』を「近所のお兄ちゃんの家」と説明したと思うが、それに対して『空気階段の踊り場』は「喫煙所」だろう。私は非喫煙者なので煙草を吸ったことはないし、喫煙所と呼ばれる場所に足を踏み入れたこともないのだが、おそらくほぼイコールだと思っている。

喫煙所という場所は、お世辞にも綺麗な場所ではない。体を蝕む煙が充満していて、そこでは堅苦しい話を持ち出さない。『空気階段の踊り場』も同じで、そこには体を蝕む煙が充満している。その話ばかりというわけではないが、エピソードトークやコーナーに上る頻度が高いコンテンツは、ギャンブルや下ネタ、恨みつらみ。それが原因で本気の口喧嘩に発展しそうになることもしばしばあるし、リスナーがイラっとすることもある。しかし、それを聴いているうちに、だんだん面白くなってくる。クズ話が面白くて仕方なくなってくる。いつの間にか、そんなにクズじゃないんじゃないかと思えてくる。そうなると、今度は自分を正当化するようになる。別に自分には借金1000万も無いし、まだ大丈夫か。親から金借りてないし大丈夫か。パチンコの面白さ分かってないし大丈夫か。ギャルに不審者と思われて無いから大丈夫か。週刊誌にも撮られてないし大丈夫か。この人たちが明るくいられるなら、大丈夫か。笑ってりゃ大丈夫か。なんとかなるか。

そうして、自分でも気づかないうちに、その煙の中毒になる。また喫煙所に行きたくなる。そこに行けば、なんでも笑い話になって、許してもらえるような気がしてくる。自分の考えていることがくだらなく思えてくる。だから、私はふらっと、喫煙所に行きたくなってしまうのだ。たとえ、特に用が無かったとしても。

もちろん、私たちがそう思えてしまうのは、空気階段の2人のトーク力と包容力によるものだ。ただのクズが身の上話を喋っているだけのラジオなら、不快感を感じるだけで終わってしまうだろう。『空気階段の踊り場』は、疲れた社会人の溜まり場であり、救済の場所なのだ。

mazireal

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