面白いことを探す旅のつまらなさ

田舎の散歩というのは、本当につまらないものだ。都会に住んでいる人たちが最近こぞって「散歩に行くようになった」というので、私も負けじと外に出て見たら、こんなにもつまらないことがあるものかと思うほどつまらない。都会の人たちは...

神がいるかはわからないが、神の腕力は存在する 2

前回(子宮をとってしまいたい)の続き 1935年のアメリカである二人の男が出会った。彼らはお互いに共通のある問題を抱えていた。アルコール依存症だ。彼らはアルコールを辞めたいと思っていたが、自分一人の力ではそれを成し遂げる...

無職流・深夜ラジオを記憶に残さないという楽しみ方

「メール職人になろう!」のコーナー、3月号のお時間です。 さて、ラジオにメールを送り続ける生活を始めて3か月が経ったところである。結論から言うと、3月は全敗であった。「メール職人になろう!」のコーナー、今月はこれで終了で...

子宮をとってしまいたい 1

たまには本質的な話をしよう。 まだ大学に入りたての若者だった頃に仲の良い女の子がいた。僕たちは本の趣味が合い、誰も聞いたことのないような映画を運試しに何本も見に行った。大学の第二外国語でドイツ語を習っていた。スイス人の講...

「大人の自分」は、過去の自分を責めて生きていく

深夜三時、猛烈な足のダルさで目を覚ます。ダルさの原因は分かっている。「一日中座りっぱなし」が良くないのだろう。蹴り飛ばしたクッションを足で挟んで引き寄せ、足を高くして眠る。 常に、ぼんやりとした不安に包まれている。この先...

詩を読んでいたら作者から電話がかかってきた

詩を読んでいたら作者から電話がかかってきた。用があるわけでもないらしい。そういえば君の詩を読んでいたよ、と伝えたら、「そうなんだ」と言っていた。 それは 広くて静かで誰もいない という詩だった。 https://www....

『うそが本当に』 ゆらゆら帝国

年末、わたしは職場の給湯室当番だった。給湯室当番とは、ポットやコーヒーメーカーを洗って給湯室をきれいに掃除する仕事だ。わたしはこの当番が好きじゃない。コーヒーメーカーの電源をちゃんと切ったのかすごく不安になるのだ。一度、...

無職流・深夜ラジオのメール職人になるための道のり

無職になってから、深夜ラジオが大好きになった。 深夜ラジオを聴き始めて約1年。ラジオファンであれば、おそらく考えることは同じではないだろうか。 「ラジオでメールを読まれたい!」。 「ハガキ職人」という言葉は有名である。ま...

私は一体、何に溺れているのか

兎角に人の世は住みにくい、と書いたのは夏目漱石である。夏目漱石が生きていた明治から大正にかけてですらそうであったのだから、令和の今など尚更その通りだ。科学も学問も発展し、分からないことが少なくなり、簡単に答えが手に入り、...

本のはなし:風の歌を聴け

火山の噴火口にゴミ処理場を作ればいいんじゃないか、と子供の頃に思ったことはないだろうか。溢れかえるゴミを燃えたぎる溶岩の中に次から次へと放り込んでいくのだ。燃えるゴミも、燃えないゴミも、そんな区分そこではなんの意味もなく...