僕のおにぎりでユニコーンガンダムは叫んだ

おっさんになると太るというのは全世界共通のことわりで、残念ながら僕ももうおっさんに片足を突っ込む年齢になった。その事実は変え難いし、ことさら否定するようなことではない。ただどうしても自分が思い描いているサイズよりも体が二...

どこにもいない『私』を探して

有名な人体実験に、鏡に向かって「お前は誰だ」と問い続けると発狂する、というものがある。いわゆる『ゲシュタルト崩壊』を引き起こす、例のアレである。 誰もが一度は耳にしたことがあり、また誰もが一度は実行したことがあると思う。...

椅子に座って仕事をする人間になりたい

思い返せば椅子に座って仕事をしたことがない。工事現場で資材を運んだり、居酒屋の店内で最も過酷とされていた「焼き鳥」で延々と鳥を焼いたり(夏は暑くて最悪だった)、ベルトコンベアから流れてくる車の部品を検品したり、印刷工場で...

優しい場所への逃避行

「優しい場所」の入り口は、いつだってベッドの中にある。 優しい場所に行きたいと思うのは、傲慢なことだろうか。そこはきっと、某夢の国のような、得も言われぬ空気に包まれているに違いない。 布団にくるまった時の、あの容易に呼吸...

焼きおにぎりが食べたい

「なにもないところ」というサイトでの文章の執筆依頼があって、実際に2つほど文章を書いてみたのだけれど、読んでよかったと思っていただけるような文章は書けなかった。誰かの役に立つようなことは思いつかないし、これからもなんだか...

37歳ではじめてゲームをやってみたはなし

あれは本物のゴリラか? いや、違う。金髪の角の生えたゴリラみたいな生き物だ。そしてその金髪ゴリラは突然、うおおおおおお! と雄叫びをあげる。その瞬間、目の前の景色は金色に輝いて、何もかもが明るく輝いた。一瞬の隙。油断した...

言葉の海を漂い

「文字」に価値は無くなった。SF小説の冒頭一行ではない。今、現在、令和は三年の、この時代である。 思えば「文字」というものに価値があったのは、「文字」というものが生まれて数年間のことだったのかもしれない。次第にそれが広ま...

夢や目標を持つことのビハインド

 僕は小学生の頃、お笑い芸人になりたかった。当時全盛だった明石家さんまさんに憧れて。タケちゃんマンの悪役にサラリーマンライダーというキャラがいて、そいつはスーツ姿でスクーターに乗って登場する。「私の名はサラリーマン!ライ...

ライ麦畑のキャッチャー

ずっと。もうずっとライ麦畑のキャッチャーって一体なんなんだって疑問を抱えて生きてきた。中学生の頃初めてサリンジャーに触れてからかれこれ二十年弱の歳月が過ぎたのだろうか。最初にはっきりさせた方が良いと思うのだけど、実のとこ...

扉はいつだって不気味だ

あなた向けにカスタマイズされたあなたにとってぴったりの文章があなたにとって最も好ましい形で展示されているスペース。それって実はすごくつまらなくないですか? 最近パチンコ熱が再燃して永遠にユニコーンガンダムを打っているので...