つまらない人間の、表現の自由についてのアンサー
ほんの少し前までは、「考える」ということが好きだった。答えが存在しないことを考えているのは楽しかった。例えば、映画や小説の主人公の気持ちとか。電車の車窓から見える家にどんな人が住んでいるのか、とか。『生きている』とはどう...
ほんの少し前までは、「考える」ということが好きだった。答えが存在しないことを考えているのは楽しかった。例えば、映画や小説の主人公の気持ちとか。電車の車窓から見える家にどんな人が住んでいるのか、とか。『生きている』とはどう...
冬の夜の街を何度も何度も行ったり来たりしているうちに、凍えるほど寒い夜なんて数える程しかないということを知った。ハンドルカバー、ネックウォーマー、使い捨てのカイロ、電熱ベスト。もちろんここは冬になると雪がうずたかく積もっ...
「幸せ」って一体なんだろうか。幸せになりたくて色んなことをやってみるけど、結局「幸せ」は追いかければ追いかけるほど遠くに逃げていくのだ。それもそのはずで、私は「幸せになりたい」と願いながら、ずっと「幸せになりたくない」と...
去年の終わりに小型二輪の免許を取った。最近はフードデリバリーを生業にしている人も多いらしく、普通自動車免許で乗れる50ccの原付ではあまりにも制限が多いため、人気のライセンスらしい。とは言え小型二輪で乗れる免許もまた原付...
私は、芸術が分からない。三億円の絵画を観たところで「私にも描けるんじゃないのか」と思うし、パリコレなんかを観てても「何を見せられてるんだ?」という気持ちにしかならない。分かる人には分かるんだろうが、低学歴で教養も無く記憶...
あなたが いない誰かが あなたを 思い浮かべるたびに空には 雲が うまれている あなたが いないわたしは その席には 座れないあなたが お気に入りで着ていたネイビーのジャケットが かかったままの その席はもうすぐ みんな...
アイドルの曲を聴くと、無謀にも「自分もキラキラしてみたい」と思ってしまうものである。おかしな話だ。ゴミ溜めのような部屋に住んでいる酒に溺れるニートが、「キラキラしたい」など無茶な話である。 宝石がキラキラ輝くのは、太陽の...
あさ、目が覚めると僕は一匹の太陽虫だった。薄明かりの中で椅子に掛かったパーカーを見つけ出して布団の中にむんずと引き摺り込み着てしまうのであった。アナログの時計を見つめて、もう少し眠っていられるような気がするのは、目を瞑っ...
なぜビールを飲みに来たか美味いビールを飲みに来たひとの声をききに来た自分の声をききに来た 自分の好きなものとはなにか 俺は書かなければならないのか 書かなければならい もし書かなければならないとすれば死ぬだろうかMust...
私にとって昼間は明るすぎる。以前外で仕事をしていた時は、微塵も思わなかったことだ。太陽は自然の恵みである、と信じて疑わなかったあの日の私に戻りたいという気持ちもある。でも、心の片隅では、これが本来の私だったのではないか、...